物件選定のポイントとタワーマンションに潜むリスク
ある程度相続税対策の仕組みを理解した上で、賃貸不動産を所有するメリットがある一方で、物件選定には慎重な視点が必要です。
以下は、物件選定において考慮すべきポイントと、特にタワーマンションに潜むリスクについての解説です。
物件選定のポイント:
- 建築費用または購入価額と相続税評価額の乖離:
建物の建築費用または購入価額と相続税評価額の乖離が大きいほど節税効果が高まります。
例えば、1億円で建築した賃貸用建物が相続税評価額で4900万円となる場合、効果が高いと言えます。
- 事務所用よりも居住用:
居住用の建物は、事務所用よりも安定した収益が期待できます。
住居スペースは必需品であり、景気の変動が影響しにくい傾向があります。
- ファミリーよりも単身者向け:
単身者向けの物件は、家賃設定が抑えられ、入居者の変動リスクが低い傾向があります。
日本の少子化を考慮し、単身者向けがリスクが少ないとされています。
- 部屋は広くて少数よりも、狭くて多数:
小規模な部屋を多く提供する方が、月々の家賃が安定しやすく、リスクが分散されます。
大規模な一室の賃貸よりも、部屋数が多くても家賃が抑えられる方が安定的です。
- 新築ではなく中古:
相続税対策では安定した収益が求められるため、中古物件の方が過去の家賃収入の履歴があり、リスクが予測しやすいとされています。
新築物件はギャンブル性が高まります。
タワーマンションの収益面に潜むリスク:
- 富裕層向けであるため入居者リスク:
タワーマンションは富裕層向けの物件が多く、一戸の価格が高い傾向があります。
そのため、入居者が決まらない場合、収益が大きく減少するリスクがあります。
- 広い部屋が多いため入居者探しが難しい:
タワーマンションの特徴として、広い部屋が多いことが挙げられます。
入居者が見つからない場合、一度空室になるとそのまま長期間空室が続く可能性があります。
- 高層階の人気に影響される:
高層階が人気であるため、価格が高くなります。
これが相続税評価額に反映され、リスクが生まれます。
また、高層階は適切な入居者が見つかりにくい場合があります。
- 家賃の変動が大きい:
タワーマンションは単価が高いため、家賃の変動が大きく影響が大きいです。
一度の大きな変動で収益が減少する可能性があります。
- 入居者のニーズへの適合が難しい:
高級住宅であるため、入居者のニーズに合致しづらいことがあります。
ファミリーや単身者向けに柔軟に対応できない場合、入居率が低下するリスクがあります。
以上のポイントを踏まえ、相続税対策として賃貸不動産を所有する場合は、慎重な物件選定が成功の鍵となります。
物件の特性やリスクを理解し、将来的な収益を見据えた選定が必要です。
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