Aさんの相続対策の展開は、以下の流れで進められました。
- 財産診断の実施:
Aさんから提供された名寄帳、確定申告書、ローン返済表、案内図などをもとに、財産診断を1週間で行いました。
財産目録を作成し、相続税評価額の算出や収益性の分析、不良資産・優良資産の判断を迅速に行いました。
- 相続税の概算算出:
相続税額も概算で算出しました。
この段階では正確性よりもスピードが重視され、総額で約1億3000万円、配偶者控除を満額使うと約6500万円になる見込みでした。
将来の自社株の評価上昇に備え、一次相続の納税資金がショートする可能性も検討されました。
- 収益力向上と節税を兼ね備えた収益不動産の購入:
収益力が高く、かつ相続税の節税に効果のある収益不動産を探しました。
購入した賃貸マンションは、時価3億円で相続税評価額は1億円に設定され、課税価格の引き下げが行われました。
- 対策の結果:
相続税は総額で5700万円まで下がり、配偶者控除を適用すると2850万円となりました。
これにより、一次相続・二次相続ともに手持ちの現金で確実に納付できる状況が整いました。
さらに、年間500万円のキャッシュフローが生まれ、毎月のローンの元金減少により純資産が増加しています。
- 将来の対策:
Aさんは5年計画で自社株を毎年少しずつ、長男に贈与することを計画しています。
これにより、将来の相続対策を進め、経営者としての自覚を持たせるとともに、自身が所有する自社株をあらかじめ減少させる方針です。
このケースからわかるように、不動産投資は相続税の節税に効果が高く、収益性も確保できるため、相続対策において重要な手段となります。
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