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相続税対策として安易な節税手段

 相続税対策として安易な節税手段が、後に問題を引き起こす可能性についてです。

  • 相続税対策としての不動産評価:

 土地が更地の状態で最も高く評価されるため、相続税対策としては建物を建てて評価減を図ることが一般的。

 ただし、賃貸アパートや賃貸マンション、テナントビルなどが建つ土地は、更地に比べて約2割程度しか評価が下がらない。

  • ワケあり不動産のリスク:

 容易な気持ちで賃貸不動産を建てると、その後の経営がおざなりになりがちである。

 節税を達成したとの満足感から、将来的な問題や不具合に対する意識が薄れる可能性がある。

  • 時代遅れの物件の課題:

 借り手は駅に近く、新しく、トレンドに合ったデザインや最新の設備が整っている物件を求める。

 時代遅れの物件は競争力がなく、これによって賃料収入が減少する可能性がある。

  • 収益性の低下と修繕・改築の問題:

 ワケありの賃貸不動産を保有し続けると、収益は減少し、固定資産税や相続税がかかり続ける。

 不動産業者やメンテナンス会社に相談すると、修繕や建て替えが提案されるが、これには高額な費用が伴う。

 収益性が低いまま修繕費がかかる状態に陥り、物件が〝お荷物〞となる可能性がある。

 総じて、相続税対策としての不動産投資において、節税だけでなく将来の収益性や市場動向を検討し、安易な節税手段に頼らず慎重に選択する必要があるとされています。