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公正証書遺言の利点と手続き

 公正証書遺言の利点と手続きについてです。以下に、主なポイントをまとめます:

  • 公正証書遺言のリスク回避:

 自筆証書遺言の場合、間違った書き方や内容が他の相続人に不利益となる可能性があり、偽造の疑いをかけられることがあります。

 公正証書遺言は公証人が作成するため、このようなリスクがなく、中立で公正な立場が保たれます。

  • 公正証書遺言の手続き:

 遺言者は公証役場に赴く必要がありますが、高齢や病気で出向くことが難しい場合には、公証人の出張を求めることができます。

 遺言者は証人二人の立ち会いが必要であり、証人の同行が必要です。

 遺言者が口頭で遺言内容を伝え、公証人がそれをまとめて遺言書を作成します。

 公証人は法律のプロであり、遺言書に問題があれば指摘やアドバイスを提供します。

  • 必要な資料:

 遺言書を作成する際には、以下の資料が最低限必要です。

  1. 遺言者本人の印鑑登録証明書
  2. 遺言者と相続人との続柄がわかる戸籍謄本
  3. 財産を相続人以外の人に遺贈する場合には、その人の住民票
  4. 財産の中に不動産がある場合には、登記事項証明書(登記簿謄本)と、固定資産評価証明書または固定資産税・都市計画税納税通知書中の課税明細書
  5. 証人の名前、住所、生年月日および職業
  • 作成費用:

 公正証書遺言の作成費用は財産の相続もしくは遺贈を受ける人ごとに算出され、財産の価額に対応して手数料が定められます。

 全体の財産が1億円以下の場合には、遺言加算があります。

 公正証書遺言は、法的な手続きを専門とする公証人が関与するため、信頼性が高く、遺言書の有効性や公正性が確保されるという利点があります。