認知症

  • 高齢者の割合:

 日本における65歳以上の高齢者の割合は、2023年9月15日時点で3623万人であり、総人口に占める割合は29.1%となっています。

 これは過去最高の割合です。

  • 認知症の問題:

 高齢者の割合の増加に伴い、認知症が重要な問題となっています。

 2022年の国民生活基礎調査によると、介護保険制度で要介護者と認定された原因のうち、「認知症」が16.6%と最も多くなっています。

 特にアルツハイマー型認知症が60~70%を占めており、認知症の最も一般的な形態となっています。

  • 認知症の予測:

 25年までには、高齢者の5人に1人、約700万人が認知症になると予測されています。

 認知症は徐々に進行し、患者の約半数が発症から2~8年で寝たきりになるなど、深刻な影響を及ぼします。

  • アルツハイマー病の特徴:

 アルツハイマー病の原因は十分に解明されていませんが、特殊なタンパク質の蓄積によって脳が萎縮し、記憶に重要な海馬が萎縮することが知られています。

 現在の治療法は症状の緩和や進行の遅延に焦点が置かれていますが、腸内細菌叢の影響など、脳以外の要因も注目されています。

  • 世界的な認知症の状況:

 世界保険機関(WHO)によると、世界の認知症患者は5500万人を超え、2030年までに7800万人、50年までに1億3900万人に達する見込みです。

 認知症による経済損失は1兆3000億ドルに達し、家族や友人による非公式の介護による負担が大きいとされています。

  • 日本と認知症対策:

 日本を含むWHO加盟国は「認知症に対する公衆衛生上の対応に関するグローバルアクションプラン2017-2025」を公約し、認知症のリスク軽減に取り組んでいます。

 しかし、日本では認知症の有病率と発症率が増加しており、西洋風の食事の拡大や運動不足、糖尿病患者の増加、高齢者の社会的な孤立などがその要因として考えられています。