遺言の内容は代襲相続されない
遺言で指定された相続人が先に死亡してしまった場合、その相続人の子どもが代襲相続することを考える典型的なケースを説明しました。
例えば、父親が自宅を息子に相続させる遺言をしたが、息子が先に死亡した場合、遺言書によって孫が相続するのか、それとも長女が相続するのかが問題になります。
最高裁判所は、遺言による代襲相続を認めず、遺言は死亡時に効力が発生するため、死亡時
に指定された相続人が存在しない場合、遺言の効力が失われると判断しました。
相続人の子どもに代襲相続させたい場合
相続人の子ども(孫など)に代襲相続させたい場合、以下の方法が考えられます:
2-1. 遺言で対応する方法
予備的・補充的な遺言: 遺言書に長男に相続させるが、長男が死亡した場合には孫に相続させる条件を記載することができます。
例えば、不動産は長男に相続させるが、長男が亡くなっていた場合、長男の子である孫に相続させるというように表記できます。
孫へ直接財産を遺贈する: 遺言によって直接孫に財産を相続させることも可能です。
2-2. 遺言以外で対応する方法
生前贈与: 長男の死期が迫っている場合、生前贈与を検討し、不動産などを直接孫に贈与することで、長男を経由せずに孫に財産を渡すことができます。
家族信託: 家族信託を活用し、不動産を孫に信託して管理させ、最終的な財産帰属先を孫に指定することができます。
代襲相続を防ぐ方法
代襲相続を防ぐために、遺言を使用する方法があります:
3-1. 「代襲相続させない」遺言:
遺言書に明記して、兄弟姉妹や甥姪に代襲相続させないよう指示することができます。これにより、遺産が自分より先に死亡した兄弟姉妹や甥姪に渡らないようになります。
3-2. 兄弟姉妹や甥姪には遺留分もない:
兄弟姉妹や甥姪には遺留分が認められていないため、遺言によって相続を制限することで、遺留分トラブルを回避できます。
要するに、遺言を活用することで、相続の希望や制約を具体的に記載し、代襲相続を防ぐことが可能です。
しかし、法的なアドバイスや手続きが必要な場合は、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。
相続に関する法律やルールは地域によって異なることがありますので、個別の状況に応じたアドバイスが必要です。
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