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孫への生前贈与

孫への生前贈与を非課税で行う方法について、以下にまとめてみました。

 

教育資金や生活費は非課税:

 

親や祖父母から子や孫に与える教育費や生活費は、通常必要と認められるものについては贈与税の対象外です。これには学資や教材費、通学の交通費、学級費、修学旅行参加費、生活費などが含まれます。

  • 年110万円まで非課税:

 暦年贈与の場合、年間で受け取った金額の合計が基礎控除の110万円を超えた場合、贈与税の申告が必要です。

 しかし、合計額が110万円以内であれば非課税です。

  • 3年以内加算の対象外:

 生前贈与を行った後、贈与者が3年以内に亡くなった場合、贈与した財産が相続財産に戻されて相続税がかかるルールがあります。

 しかし、孫に対する生前贈与は通常はこのルールの対象外で、孫が相続税を支払う必要がありません。

  • 相続時精算課税制度の利用:

 相続時精算課税制度を利用すると、親や祖父母から子や孫に前渡しで遺産を引き継ぐことができます。

 特定の条件下で累計で2500万円までの贈与には贈与税がかからず、相続時に相続税が計算されます。この制度を利用する場合、税金の精算が必要です。

  • 贈与税の非課税制度の利用:

 贈与税の非課税制度を利用することで、一定の目的に使う資金に対して非課税で贈与できます。 

 具体的な制度には教育資金、住宅取得等資金、結婚・子育て資金などがあります。 

 ただし、制度を利用する際には注意が必要で、一度決めた贈与を取り消すことはできません。

  • 教育資金の一括贈与制度:

 親や祖父母から30歳未満の子や孫へ「教育資金」を非課税で贈与できる制度があります。非課税限度額は、受贈者1人につき1500万円(学習塾など学校以外への支払いは500万円)です。

 手続きは金融機関で行い、契約終了時に残額が贈与税の対象になることがあります。

  • 教育資金の一括贈与制度の期限:

 教育資金の一括贈与制度は期限が設けられており、2026年3月31日まで延長されました。 

 期限に注意して制度を活用しましょう。

  • 教育資金の範囲:

 この制度の対象となる教育資金は幅広い用途に適用されます。

 学校に直接支払うものや学校以外に対して直接支払うもの、交通費などが含まれますが、一部制限があります。

  • 注意点:

 非課税となるためには制度の範囲内であることや領収書や請求書の提出が必要です。 

 また、贈与者の死亡や受贈者が30歳になるなどによって非課税の条件が変わることに注意が必要です。

 孫への生前贈与は税務制度や条件が複雑ですので、具体的なケースに合わせて税理士や専門家のアドバイスを受けることが重要です。