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実家は母親のひとり

Hさん(50代・男性)は、80代の両親の相続について相談しています。父親は脳梗塞で介護施設に入所し、母親は1人暮らしとなっています。

 

 家族構成はHさんと妹の2人で、両親とは別居しています。

 

 父親は40年前に築いた住宅で、土地の6割が自宅、4割が賃貸住宅です。

 

 賃貸住宅は40年経っても満室稼働しています。

 

 父親は認知症になり、対策を取る前に亡くなってしまったため、遺産分割について決断をする必要があります。

 

 土地の評価は10,000万円、建物は300万円、金融資産は5000万円あり、相続税の申告が必要です。

 

 母親の相続による節税対策も検討されています。

 

 将来の実家の運用について、最寄り駅から徒歩5分の好立地であるため、賃貸住宅に建て替えて維持することが提案されています。

 しかし、妹との遺産分割についても協議が必要で、不動産の共有はトラブルの原因となる可能性があるため避けるべきです。

 そのため、賃貸住宅はHさんが相続し、金融資産を妹に渡すことが提案されています。

 

 対策士からのアドバイスとしては、土地の活用方法を検討する際に将来の共有を避けるためにも、分け方を決めて取り組むことが重要です。

 

 父親の認知症による対策が難しいため、母親の相続時にも方向性を考えておくことがよいとされています。