「裁判上の離婚とは?」
協議離婚や調停離婚が成立しない場合、さらに審判離婚が行われない場合に、夫婦の一方が離婚の訴えを起こして裁判所での判断を求める手段です。
- 離婚の訴えの要件:
裁判上の離婚を提起するためには、民法第770条に示された要件に合致する必要があります。
以下はその要件です。
- 配偶者に不貞な行為があるとき。
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
- 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
- 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
- その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
- 裁判所の判断:
裁判所は、上記の要件が満たされていても、一切の事情を総合的に考慮して、婚姻の継続が相当と認める場合、離婚の請求を棄却することができます。
- 悪意の遺棄と精神病の要件:
「悪意の遺棄」は同居・協力・扶助の不履行を指し、家事や生活全般の放棄などを含みます。
「精神病」は医学的な診断が基盤となりますが、最終的な判断は裁判官が行います。
- 裁判上の離婚の頻度:
実際の現実では、裁判上の離婚は全体の1%程度に過ぎず、ほとんどの場合は協議離婚が選ばれます。
裁判上の離婚は、協議離婚とは異なるプロセスであり、特定の法的要件に基づいて成立します。
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