背景と終活の始まり:
Yさん夫婦は子どもがおらず、老後の準備を始めるために相談に来ました。
Yさんが60歳で仕事をリタイアし、時間的な余裕ができたことから、終活を考え始めました。
子どものいない夫婦として、自分たちの老後のケアや遺産の処理についてアドバイスを求めていました。
- 終の棲家を見つけて住み替え:
Yさん夫婦は、子どもに依存せず、自分たちの老後を考え、終の棲家を見つけることを決意しました。
大規模なマンションで暮らしていましたが、老後に向けて有料老人ホームへの住み替えを検討しました。
時間をかけて多くの施設を訪れ、納得できる場所を見つけました。
最寄駅から徒歩圏内で公園も近く、住環境が整っていると感じました。夫婦ともに同意し、自宅を売却し、老人ホーム生活を始めました。
- 遺産分割の検討:
Yさん夫婦の相続人は、兄が亡くなっており、甥が相続人となります。
妻の場合は弟が相続人で、さらに弟の子どもたちにも財産を受け継がせたいと考えています。
現在の財産は金融資産と生命保険で、自宅不動産は既に売却しています。
- 遺言書の必要性と内容:
Yさん夫婦は、遺産分割を希望通りに行うために遺言書の作成を検討しました。
一次相続ではどちらかの配偶者が相続し、次に甥と弟とその子どもたちに財産を等分に分けることを望んでいます。
しかし、どちらが先に亡くなるかわからないため、順番によって相続内容が変わる可能性があります。
- 遺言書作成の手続きと注意点:
遺言書作成の際、自筆証書遺言よりも公正証書遺言の方が確実なため、検討することが推奨されました。
遺言書を作成するには、受ける人の住民票が必要です。内容が夫婦の意向を正確に反映し、無効にならないようにするためにも、遺言書の作成は慎重に行う必要があります。
- 遺言書の相続人への伝達と了解取得:
作成した遺言書は、受ける人に内容を伝え、了解を得ることが重要です。遺言書で遺贈する場合、受ける人の住民票を取得する必要があるため、事前の手続きが必要です。
また、遺言書の内容はこっそり作成するのではなく、関係者に説明し、了解を得ることが望ましいです。
最終的に、Yさん夫婦は遺言書を作成し、受け継ぐ人々と内容を共有し、相続の円滑な進行を図ることを決めました。
このような計画を立てることで、自分たちの希望通りに遺産が分割されることや、紛争を回避することが可能となります。
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