借入金を活用した相続税対策の基本と留意点
相続税対策として借入金を活用する場合、いくつかの留意点があります。
留意点1:純資産価額がマイナスの場合
例えば、土地建物が賃貸物件で、土地に特例(50%減額)が利用できているとしましょう。
相続人ごとに純資産を計算し、それを合計した金額を基に相続税が計算されます。
留意点:
純資産がマイナスになる場合、その差額は他の相続人からの控除ができません。
借入金によって純資産がマイナスになる相続人がいるか、分割を見越して確認が必要。
留意点2:債務控除を実質的に受けられる場合
債務控除は相続人または包括受遺者でなければ適用されません。
しかし、相続人でない孫や内縁関係がある場合、負担付遺贈を通じて債務控除の実質的な適用が可能です。
留意点:
負担付遺贈により取得した財産の価額は、債務控除後の価額となり、実質的に債務控除が適用されたことになる。
留意点3:基本通達による評価が否認されたケース
特殊な事例として、節税目的で多額の借入金により購入した土地建物を相続し、財産評価基本通達ではなく鑑定評価により評価すべきとされたケースがありました。
留意点:
特殊な節税手法が否認される可能性がある。規模が大きくなるほど税務リスクが増大する。
これらの留意点に留意しながら、借入金を活用した相続税対策を検討することが重要です。
税務の専門家と相談し、事前に計画を進めることが望ましいでしょう。
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